【海外進学】メリットとデメリット(とその解決法)

留学

公立高校で教員をやっています。
今年秋から、コロンビア大学院(以下、TC)に進学します。
さて先日、教え子から下の質問を受けました。

「いつか留学したいなと思いつつ、いまいち踏ん切りがつきません。留学するにあたって、どんなメリットがありますか?」

上の質問に答えます。海外進学のメリット、デメリットをまとめてみます。

海外進学のメリット・デメリット

1.海外進学のメリット

(これは、寧々さんの言葉ですが)結論は、次のとおり。

口先じゃない自由

 
を手に入れられる。(【N高×白川寧々】NEDで登壇してきたより)

「本当にグローバル人材になれば、自由になれるのか?」
「海外進学をした人が得る自由とは、どんな自由なのか?」
これを、考えてみます。

私が考える自由は、以下の二つ。

(1)精神的な自由
(2)経済的な自由

 
たとえば、学ぶ自由、時間の自由、人間関係の自由とかっていう精神的な自由。あとは、お金に困らない、仕事や住む場所を選べるなどの経済的な自由。

自分にはカードがいくつも渡されていて、好きなように選べることが「自由」です。自由だと、やりたくないことを断れるし、やりたいことを全力でやれます。

一方、いまの日本の若者は、やれることが制限されていて、やらないといけないことが山ほどある状態です。たとえば、実質賃金は日本だけ一人負けの状態。ジェンダーギャップも、相変わらずG7で最下位。

残念ながら学校では、自由になるための方法や考え方を教えてくれません。だからこのブログで、自分が知った知識や方法を書きます。正しく努力すれば、誰でも自由に近づくことはできます。

ただ、このブログは、留学を終えた留学体験記ではありません。「海外進学すれば、本当に自由になれるか?」という仮説を、私自身で確かめてきます。私も自由な生き方を目指して、学んでいきます。

では、それぞれの自由について、詳しく書いていきます。

(1)海外進学をすれば、精神的に自由になれる


海外進学をすれば、学びや人間関係などの自由を得ることができます。

世界大学ランキングで、日本の大学が低いのはよく言われるところですが、もう少し具体的に見てみましょう。

安宅和人さんの資料(『“シン・ニホン”AI×データ時代における日本の再生と人材育成』スライド60)を見ると、日米の大学資金力の差は歴然です。アメリカは、大学での教育にめちゃくちゃお金を使っています。

GDPに占める人材育成投資費の国際比較を見ても、日本の経営者が人材育成にお金を全く使っていないことが分かります。


日本では、大学生としても、大人としても、学びの機会が十分ではありません。海外進学をすれば、質の高い教育を受けるチャンスを得ることになります。

もっとシンプルに見てみましょう。
海外進学をすれば、日本語以外の言葉で情報を得ることができるようになります。英語でググれるようになります。たとえば、YouTube、Twitter、本、論文、新聞など。

実際に、TOEFLの勉強を通じて、英語で理解できる世界がグッと広がりました。特にCrashCourseで、経済やら、アートやら、生物学やらの動画を見まくったおかげです。もちろん分からない単語はありますが、検索できます。分からないことが分かるようになるのは、何歳になっても快感です。

SNSを使えば、自分の考えを発信できるし、世界の誰とでもつながることもできます。自分の喜怒哀楽や正義、実現したい世界を英語で発信できます。TEDなんかその典型ですが、「自分はこういう風に世界を変えたいんだっ!」と堂々と言っている彼ら、すごいかっこいい。

会社や学校で、自分の目標や夢を語ったら、馬鹿にされたことありませんか。私は、あります。前任校で、自分の言いたいことが伝わらず、挙句の果てに元校長に「そんな甘い考えじゃだめだ」と、全否定されました。校長室ではじめて泣きました。

一方で、HeroMakersで会った起業家や教育者の方々は、「それって、こうすれば上手くいくんじゃない?」「とりあえず、ここからやってみよう」と言ってくれました。

海外進学をすれば、そういう人に会えるチャンスが増えます。日本の会社や学校の人間関係で、いやだと思うことがあっても、「世界中にこんなに仲間がいるもんね」と思えれば、楽しく生きられます。

TCに合格して、” Teachers College, Columbia University Admitted Students 2021”というFacebookグループに招待されました。イギリス、インド、中国、韓国など、いろんな国の人が学びに来るんだなーとワクワクしました。

私は、世界中の誰とでもつながって、学べる自由を得たい。課題があっても、解決しようと挑戦する人と一緒に、生きていきたいです。

(2)経済的な自由が増える


海外進学をすれば、仕事、働く場所などの経済的な自由を得ることができます。

日本の働き方と言えば、新卒一括採用、年功序列、終身雇用。やっぱり、遅くまで仕事をする人が、頑張っている人だと思われることが多い。女性が管理職になっている会社の割合はまだまだ低い。

日本の働き方をよく表しているなーという調査を見つけました。

・長い労働時間
長時間労働(週49時間以上)の割合
日本(20.8%)、アメリカ(16.4%)、イギリス(12.3%)、スウェーデン(7.3%)。
・低い会社への満足度
エンゲージメントレベルが非常に高い社員は8%。非常に低い社員は34%。
世界平均はそれぞれ、22%と16%。
・低い労働生産性
OECD36カ国中21位。先進7カ国のなかでも最下位。
・豊かにならない生活
一人当たりGDPは25位。
(橘玲著『働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる』より)

 
まとめると、日本人は、長く働いているものの、その会社には満足しておらず、生産性も低い。利益も上げられていない。世界と比べると、経済的な自由がやっぱりないんですね。

それでも、終身雇用で「ずっと会社が守ってくれるから」と我慢できたのかもしれません。しかし、働き方はこれからもっと変化するでしょう。人の寿命は延びていますが、会社の寿命はどんどん短くなっています。公務員、大企業だから安定!ということも言えなくなってきます。

そんな時代に、安定できる人とは、「世界のどこでも、誰とでも働く勇気がありますよ」という人。

海外進学をすれば、選べる仕事の幅が増えます。海外進学をした=海外で学べる、という証明になります。海外で働ける、生活できる、ということの証にもなるからです。

また、ボストンキャリアフォーラムに参加できます。外資系の企業への就職のチャンスがひらかれます。留学をすることで、働くことへの自由と安定を得ます。

以上、「海外進学をすれば、自由になるのか」を考えてみました。このブログを通して、「海外進学をすれば、精神的に、経済的に自由になる」という仮説が正しいのか、確かめていきます。
周りの学生や社会人の方々へシェアしてもらえると嬉しいです。

2.海外進学を阻む壁と解決する方法

ここまで読んでいただいた方は、「海外進学にメリットがあるのは分かるけれど、結局、お金もかかるし、英語力も必要なんでしょ?自分には無理!」と思う人もいるかもしれません。

確かに、お金はかかるし、情報は少ないし、英語力も心配です。しかしながら、

海外進学は、誰でも、いつでも、できます。

 
それぞれを解決する方法を記事にしてあるので、もしよかったらご覧ください。

(1)お金→【留学準備】留学費用を抑える2つの方法
(2)情報→【海外進学サポートはここで!】ねねみそ相談サロン
(3)英語力→【英検2級取得者向け】留学に必要な英語力をつけるロードマップ

3.学生や教育関係者の方々へ

✓学生の皆さんへ

私は、去年高3の担任として、たくさんの受験生と過ごしました。彼らの努力を見てきました。

彼らは、大学受験をなんとか乗り越えました。これから、必死に就活をやり、やっとの思いで会社に入ります。そんな彼らが嫌々入った会社で、長々と働いている状況は、絶対に避けてほしい。我慢したり、嫌な思いをしたりしながら働くことが、当たり前ではないことに気付いてほしい。

日本では、大学受験→就活のレールがセットになっています。大学受験の差が、なかなか逆転できないようになっています。

そもそも、偏差値という学力も、育った環境によるものが大きいんです。大学受験で成功した人は、恵まれている環境にいた人が多いのです。だから、大学受験でふるわなかったからと言って、「自分はだめなんだ」とか「自分は努力が足りないんだ」とか思わない方がいいです。生まれながらにして、差があったのですから。(『「生まれた環境」による学力差を縮小できない〈教育格差社会〉日本』より)

「この大学に入ったから、この会社くらいでいいか」と我慢なんて、絶対にしないでください。「自分はもっとできるはずだ」と信じて、広い世界を見た方が、お得です。海外は、日本とは違う視点で、皆さんを見てくれます。

働き方や生き方を自由に選ぶための、一つの手段として海外進学を検討してみてください。

✓教育関係者の方々へ

私は、教員として8年間働いてきました。たくさんの先生方と会ってきました。いまの学校教育は、一人ひとりの努力に頼りすぎています。忙しすぎです。

そんな学校と合わずに、自分は無力だとか、向いていないのではと、悩んでしまう方もいました。本来だったら、子どもと関わることが好きで、教育熱心な方々ばかりです。

ストレスを感じてしまっているのは、先生方の技量ではなくて、学校教育という仕組みのせいです。ぜひ、海外進学(国外逃亡)という選択肢を知ってほしいです。HeroMakersは、教育をよくしたい先生のためのプラットフォームです。学校のために、地域のために、子どものために、解決しようと行動している教育関係者の方々、HeroMakersでもお待ちしております。

このブログでは、海外の面白い学校や、教育の取り組みも紹介していければと思います。
一人ひとりに合った教育に携わる方法が、必ずあります。一緒に探しましょう。

質問などありましたら、コメント欄か、「お問い合わせ」よりお願いします。

※海外進学に関するまとめ記事は、【費用を抑えたい人】海外大学留学の進め方【エージェント頼り×】をご覧ください。

コメント

  1. 幸せのペコちゃんキャンディ より:

    こんにちは。
    YouTubeの動画を先日視聴させていただきました。田原先生がどうして先生になったのか、また、どうして海外に行きたいのかを初めて知りました。こうやって、目標ややりたいことを言語化されているのはとても素晴らしいと前から思っていましたが、さらに凄いと思いました。
    さらにこの記事を見て、先生の教え子として、日本の就職正規ルートを踏みたくないと思いました。日本が決してダメであると否定したいわけではありません。しかし、とても世界に開けていない国であると思います。
    是非、先生が見てきた世界を今後も共有していただきたいです。

    • yusuketahara より:

      幸せのペコちゃんキャンディさん

      教え子の中から、海外進学に挑戦する人たちが出てくれたら何より嬉しい。
      数年後に、133回生の中からフルブライト奨学金に合格する人も、きっと出てくれると思っています。
      皆さんは、それくらい優秀でしたし、大きな成果もあげました。ほとんどの人は、グローバルな場での自分の価値を知ることはありません。
      知ろうともせずに「まあこれくらいで」「ほかの人もするから」と思って、就活をします。
      それでは、もったいなすぎます。在学中でも、卒業後でも、社会人を5年やってからでもいいから、挑戦してほしい。
      グローバルな舞台で、自分はどれほど価値あるか分かると思います。
      応援しています!!