【海外進学】エッセーを書く三つの柱【準備にかかったのは20万円】

留学

【海外進学】エッセーを書く三つの柱

田原です。
海外進学において、エッセーの準備は外せません。

先日、以下のツイートをしました。

三つの問いに対して、自分の答えをまとめていくのがエッセーです。
エッセーについての書き方やポイントを記事にしました。

「エッセーって何?」
「エッセー、どう書けばいいの?」
「エッセーに書くことなんてない!」

という疑問や不安を持っていらっしゃる方にむけて、記事を書きます。

1.エッセーとは何か

寧々さんから

「自分を主人公にして、世界とストーリーを考える。一本の映画のようなもの」

と教えてもらいました。

エッセーには、生まれ育った経験から、学生の経験、社会への問題意識、将来のゴールまで、なんでも書くことができます。
それを一本の映画のように、まとめていくのがエッセーです。

✓エッセーを書くための3つのポイント

エッセーを書くときに、常に意識をしていたことがあります。それは、

specific(具体的に、明確に)
personalized(個人的に)
consistent(一貫して)
書く

 
ということです。
「書けた!」と自分が思っても、どこかで見たことあるようなエッセーになっていることがあります。

「書いては修正して」の繰り返しで、自分だけのエッセーを作成します。
私は、一校目のエッセーが完成するまで、20回くらい修正しました。

✓何を書くか

主に、以下の3つがエッセーの柱です。

・「何を解決したいか?」(社会の課題、将来像)
・「なぜあなたか?」(自分の過去の経験、目標)
・「なぜその大学か?」(なぜその大学、なぜそのプログラムなのか)

 
大学や奨学金の団体からテーマ(prompt)を与えられます。
それに応じたエッセーを書いていきます。

以下に、例を載せます。

①「なぜあなたか?」
なぜ自分がその課題をやりたいと思うようになったか、を書きます。
そのために、自分が何に情熱を感じているか、どんな活動をやってきたかを書きます。

「私は、教師になってからずっと、~~な活動をしてきた。私の活動の中で、達成してきたいくつかのゴールを述べる。一つ目は、高校生に課題解決能力を身につけさせてきたことだ。経済産業省『未来の教室』実証事業の一つである『Hero Makers』に参加した。
私は、高校生のやる気を引き出し、彼らが現代の課題を解決させる手助けをしたい。そのために、スクールリーダーシップを学び、日本の学校教育に貢献したい。」

 

②「何を解決したい?」「なぜその大学?」
自分が解決したい課題や、大学での学びがどう解決に活きるかなどを書きます。

「Adobeの調査では、自身のことを創造的だと思う若者は、8%しかいない。若者が、課題を協働して解決するマインドを失い、社会をつくる当事者としての意識を持てなくなってしまった。
以上の課題を解決し、教育改革を実現するために、私は大学院で二つのことを学びたいと思うようになった。一つ目は、~~。二つ目は、スクールリーダーシップだ。私は、スクールリーダーシップを学ぶことで、教育環境を変えるための具体的な手法やスキルを学びたい。
私の短期的な目標は、~~。長期的な目標は、日本あるいは国際的なレベルの教育政策にリーダー的な教師として関わり、教育改革をすること。」

 
解決したい課題、大学で学びたいことなどの見つけ方は、
【フルブライト奨学金】合格のための3つのステップ【エッセーの書き方】
に詳しく書いてあります。

それでは、実際にどう書けばよいのか、見ていきましょう。

2.エッセーの書き方

一番行きたい大学のエッセーをとことん深めて、完成させてから、他の大学のエッセーに取り掛かるようにしました。

ステップは、以下の通りです。

(1)promptを理解する
(2)アウトライン作り
(3)エッセー執筆
(4)添削
(5)修正

 

(1)promptを理解する

promptとは、大学から「~~について書け」と与えられるお題のことです。
「○○と△△と□□にふれてね」とあれば、全てについて書きます。
大学から何を書くよう求められているかを理解することが、エッセー執筆の第一歩です。

たとえば、コロンビア教育大学院は、以下のテーマが与えられています。
3点について、エッセーを書いていくことになります。

・専門性、経験
Your professional, teaching, and leadership background and how your experiences have led to your application to the Private School Leadership program at the Klingenstein Center
・目的やゴール
Your objectives for graduate study and how this program will enable you to achieve those goals
・どう貢献するか
Ways in which you will contribute academically and professionally to the work of the Private School

 

Tomは、promptに答えられているかチェックしてくれました。
実際には、こんな感じです。

(2)アウトライン作り

「○○と△△と□□にふれてね」というお題に対して、それに使えそうな経験、課題などをエクセルに打ちます。
「このエピソードはここで使えそうだな」「やっぱりこっちが先の方がいいかな」と入れ替えたり、修正したりします。

アウトラインの一例を示すと、

①何をしたいか?
―解決したい課題、現状
―実現したい理想の社会
②なぜあなたか?
―これまでにやってきたことと成果
―失敗、壁
―短期目標・長期目標
③なぜその大学か?
―学びたいこと
―なぜその大学がいいか

 
といった感じです。

アウトラインをTomに見てもらいました。
「②が一般的すぎる」とか、「その課題は③で学んでも解決できないよね」などとコメントをもらいました。
完成して、いよいよ執筆です。

(3)エッセー執筆

ここからやっと、エッセーの執筆です。
Tomにもらったアドバイスとともに、書き方をまとめます。

エッセーの内容については、三つについて書いていきます。

①何を解決したいか?(課題、将来像)
②なぜあなたか?(過去の経験と目標)
③なぜその大学か?(なぜその大学、そのプログラムなのか)

 
①何を解決したいか?

ここでは、「自分が解決したい課題は何か」について書きます。
ただ、「学力格差という課題を解消したいです」って言ったって、広すぎます。

対象はどの学生なのか、どれほどの経済的損失で、放っておくとどう問題なのか、世界的にみてどうおかしいのか、など自分の言葉として説明しないといけません。

そのために、公的な調査結果を見たり、記事や論文を読んだりしました。
「その問題について自分が一番詳しいんだ!」くらいになるまで調べましょう。

問題を解決したら、どういう影響や変化があるのかについても書きます。
Tomからは” On a smaller, day to day level, what do you want these kids to be better at?” と問われました。
「具体的に」何が変わるのかを考えるようにしました。

②なぜあなたか?

ここでは、自分の経験や目標について書きます。
「自分」については大きく分けて

(a) きっかけ(課題を解決したいと思うようになった経験、元々の性格)
(b) 成功(解決のためにやってきた成果)
(c) 失敗(解決のためにやってみたけど上手くいかない原因)

 
の三つについてまとめます。

「(きっかけ)私は~~に昔から興味がありました。~~な課題があることを知りました。(成功)解決のために、~~に参加し、~~な活動をし、~~な成果がありました。(失敗)しかし、~~が上手くいかなかったので、大学で~~を学びたいと思うようになりました」
のようにすると、個人的なストーリーになります。

「その学びを活かして、短期的には~~な職業につき、~~をします。さらに、長期的な目標として、~~になり、~~します」
とすると、具体的なエッセーになります。

何をやりたいかは大学に入ってから考えるものだと思っていました。
しかし、出願の時点で、卒業後のイメージについて持っておいた方がいいでしょう。

Tomから” much more specific about your objectives” ” provide a more coherent answer”(「将来の目標として、具体的な職業名を挙げなさい」と)と言われました。

それから卒業後の進路を考えたり、調べたりしました。
受験の段階で、キャリアについてイメージができてると、時間を有効に使える人だとアピールすることができます。

③なぜその大学か?
最後は、「なぜその大学なのか?」についてです。

項目としては、授業(course work)、教授(faculty)、実習(field work)、その他(research center)などを調べます。

情報が集まったら、「大学に入ったらこの授業でこれを学んで、こう実践して、こういうラボでこれをやります。大学のコミュニティーにこう貢献します」という感じで文章にします。

大学は自分から学びを得る場であり、大学が何かをしてくれるような書き方はNGです。

Tomから、” Instead, try to explain how you will use these resources. Forget what Harvard will do—show yourself as an active learner. (どうやって資源を活用するかを説明せよ。ハーバードが何をしてくれるかは忘れて、あなたがアクティブラーナーであることを示せ)” と問われました。

また、大学はコミュニティを大事にしています。
入れてもらう、というよりは、いかに貢献するのか、どうメリットがあるのかを明確にします。

“The most valuable asset at this and any school is the students. So…what value do you offer others?(最も大事な資産は生徒である。あなたは周囲にどんな価値を提供できるか?)”と問われました。

いずれのアドバイスも、学習者として大事な視点を教えてもらいました。

以下、Tomから受けたエッセーに関するアドバイス一覧です。
・「自分の言葉で書け」
・「最初から英語で書け」
・「具体的で、一貫したゴールを描け」
・「大学を活用せよ」
・「コミュニティに貢献せよ」
・「アクティブラーナーであることを示せ」
・「課題が解決されたら、どんな変化が起こるか具体的に書け」

3.エッセーは、プロに見てもらうべし

理由は、私が

・エッセーの書き方を知らない
・自分は何がしたいかを一人で言語化するのはつらい
・出願で最重要パートだと思った

 
からです。

だから、エッセーは信頼できる人に見てもらうのがいいです。

「なぜ海外進学したいのか」「なぜその大学なのか」「なぜ今なのか」・・・などの問いに対して、
自分一人で用意するのは、めちゃくちゃ大変です。

海外進学する目的や、その後のビジョンを整理する上でも、やってよかったなと思います。
どのカウンセラーに頼むかは、自分に合っているかどうかで決めるようにしましょう。

エッセーは、自分の問題意識や価値観を、見つめ直すプロセスです。
氷山の一角のように、普段は言葉にしたり、考えたりすることがありません。

だから、優れたカウンセラーに引き出してもらう必要があります。

くわえて、カウンセラーの実績も大事です。
自分が行きたい分野や大学への合格実績があるかも確かめておきます。

私は、Thomas Bojkoというプロのカウンセラーの方に、エッセーの添削を依頼しました。
とても満足しています。

彼の仕事は、”Graduate School Admissions Coaching”(大学院入学のコーチング)です。
留学準備をする前は、こんな仕事があることも知りませんでした。

彼は、日本人の指導実績が多く、指導歴も長いです。
Zoomで最初は話しましたが、雰囲気がとても話しやすかったです。

「あなたがやりたいことってこういうこと?」
「もっとこういう書き方をした方が伝わるよ」
などと、彼から、エッセーに関するアドバイスを山ほど受けました。

北米の大学への出願6校分のエッセーと、フルブライト奨学金のエッセーを合わせて、
20万円ほどで完成しました。

結果、コロンビア教育大学院に合格することができました。

北米の大学への進学を希望している方は、Namiko Suzukiさんもおすすめです。

エッセーのネタが見つからない!という方へ

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

「書き方はわかったけど、解決したい課題や、やりたいことがない!」と思った方も、いるかもしれません。
寧々さんが、問題意識を言語化するステップを解説してくれています。

 
私は、Youtubeで解説されている方法で、エッセーを作りました。
「自分は、この問題を解決したいのか?いや、ちがう。こういう問題かもしれない」
と、何度も深堀りをしました。

自分と向き合う作業はしんどい時間ですが、頑張りましょう!

【関連サイト・動画】
【フルブライト奨学金】合格のための3つのステップ【エッセーの書き方】に、エッセーの内容について詳しくまとめてあります。

・私が依頼したカウンセラーThomas Bojko

Namiko Suzukiさんのサイトおよび、ナミコさんへのインタビュー動画(アメリカ大学進学を諦めなくていい理由7つ!実績日本1の海外進学カウンセラーにを聞いてみた!!

コメント

  1. やまもと より:

    私は今、留学に近いプログラムに参加しています。実際留学のように海外に行くわけではありませんが、英語だけの授業などほとんどが同じです。そのため、writingやspeakingが今まで以上に必要になり大変だし、周りよりもとても劣っているなと感じます。しかし、最終目標を達成するには今の英語力よりさらにレベルの高いものが必要になると思ってやっています。先生のブログはまず物事の考え方の流れが分かりやすく書かれていてとても参考になります。このブログの内容も活用して頑張りたいと思います。

    • yusuketahara より:

      環境で人は成長します。
      大学1年生から、英語を使わざるを得ない環境にいれば、英語力はきっとつくはずだよ。

      大学も、英語も、最終目標を達成するための手段でしかありません。
      周りと比較するより、前の自分と比較しながら、目標に近づいてればオッケーです。
      焦らず、コツコツやってればきっと大きな成果を生むよ。

      大学はこうやって活用するんだっていう例を作ってほしい!
      応援しています!!