【コロナ禍の留学】変わった受験事情と3つのアドバイス

コロンビア教育大学院

田原です。
今年秋からコロンビア大学院に進学します。

「コロナだけど、留学できるの?」

という質問をたくさん受けました。

留学を計画している人にとっては、お金や英語も心配ですが、実際に行けるのかも不安ですよね。
先日、以下のツイートをしました。

コロナ禍でも海外進学は可能です。
授業も対面です。
寮にも住めます。

この記事は、「コロナ禍だけど海外進学ってできるの?」「コロナ禍の留学計画や準備どうしたらいい?」という疑問について答えていきます。

【コロナ禍の留学】変わった受験事情と3つのアドバイス

1.コロンビア教育大学院(TC)のコロナ禍対応

私は、8月からニューヨークに行きます。
TCの授業は対面で行われます。
ワクチン接種ができれば、授業も寮も、これまで通りです。

まずは、TCのコロナ禍における対応をまとめます。
2020年3月12日に春学期すべてオンライン移行決定してから秋、春、卒業式までずっとオンライン。

2021年4月24日にTCから“Important Update on Our Fall 2021 Plans”というメール。
内容は「夏は基本的にオンライン。秋は、対面で」というもの。
寮、食堂、図書館、ラウンジなどの施設も使えるようにする。
そのために、ワクチン必須。

5/1のメールでは、TCは対面授業をするために、ワクチン接種できる場所を3つ用意。
加えて、週末限定の接種会場も。

ちなみにニューヨーク州は、PCR無料です。
PCR検査所やドライブスルー検査所があり、700か所ほどの検査所があるそう。
人口当たり世界最多の検査数です。
「ニューヨーク州のPCR検査の現状」はこちらより)

それから“Additional Vaccination Site Near Campus”という内容のメールが何度も来て、ワクチン接種をサポートしてくれています。

TCは、メールで細かくアップデートしてくれて、「秋から対面でやる。しかも、コミュニティの安全第一で」と学生を大事にしてくれているのがよく分かりました。

2.コロナ禍の海外大学受験

2021年入学を目指した大学受験は、これまでの受験と違う点が多かったです。

世界の受験生の機会をそろえるために、TOEFLは自宅受験が可能になりました(TOEFL iBT Home Edition)。
TOEFLセンターに行く必要がなくなり、慣れている環境で受験でき、とても助かりました。

学部受験のSATが、大学院受験のGREやGMATが免除される大学が多くありました。
(GREを免除した大学の一覧をまとめた記事”List of grad schools waiving GRE for 2021“はこちら)

私が合格したTCも、通常なら必要ですが今年は免除。
MIT SloanについてはGMAT、GRE、TOEFLいずれもなしで出願可能というすごい事態になりました。

いずれの大学も、スコアメイキングが原因で、優秀な学生をとれなくなってしまうことを避けるための対策です。
学生にとっては、大きなチャンスになりました。

一方で、受験条件がゆるやかになった結果、受験生の人数は激増しました。
前年比、学部受験で、ハーバード大学は43%増、コロンビア大学は51%増です。
(受験者増についての記事”How College Admissions Have Changed During Covid“はこちら)

結果、ハーバード4.9%、コロンビア6.1%、イェール6.5%と、合格率も厳しくなりました。

(”Ivy League Admission Statistics“より)

2020年のデータですが、大学は毎年早く出願した人を多く採用します。
この傾向は、コロナ禍でも同様です。


(”2020 Ivy League Admissions Statistics“より)

合格率は低くなったものの、学生が受験しやすくなったのは事実です。
コロナ禍だろうと、早めに準備をして行動に移せた学生は、間違いなくチャンスの年でした。

3.コロナ禍の海外大学受験

コロナの影響によって、生活が一変したように、受験生にとっても大きな変化が様々ありました。
先が見えずに、本当に留学できる確証がない中で受験をすることは、普段の受験よりもストレスを感じることも多いかもしれません。

コロナ禍の受験のアドバイスは以下の通り。

①リスクを計算する
②未来を楽観する
③仲間を作って励ましあう

 

①リスクを計算する 

何か新しいことにチャレンジするときは、不安はつきません。
特にコロナ禍で、先が見えづらいときはなおさら。

そういうときは、リスクとリターンを考えます。

リスクとは「リターンの振れ幅」のことです。
リスクをとらなければ、今の生活が続くという確実性はあるものの、その分リターンもありません。

将来得られるかもしれない利益を失っていることになります。
「留学行けるのかな」という、ふわっとした不安で思考停止するより、リスクを計算して、そのリスクが受け入れられるものであれば、行動していくことが大事です。

具体的には、まずリターンの振れ幅を考えます。
幅とは、最も上手くいった場合と、最も上手くいかなかった場合における差のことです。

留学で言うなら、「第一志望の大学に受かって、奨学金がもらえて、対面授業」が最も上手くいった場合。
逆は「大学に全落ち」あるいは「あまり行きたくない大学しか受かってなく、授業はフルオンライン」です。

こうやって振れ幅を考えます。
私の場合、30歳、妻と子ども1歳半、教員です。

もし「全落ち」か「フルオンライン」になれば、「教員を続けて、また来年受験すればいっか。受験のノウハウも知れるしな」くらいに思っていました。
不安だけれども、これくらいのリスクは受け入れられるなと思い直しました。

授業が対面になるか、オンラインになるかは、自分ではどうすることもできないので、気にしませんでした。
結果的に、リスクをとれたから、「コロンビア大学院、フルブライト、対面授業」というリターンを得られました。

✓受験する大学の地域を分散しよう

もし私がもう一度受験をするなら、受験する大学の地域を分散します。
アメリカは第一志望だけれども、ヨーロッパやアジアの大学も併願します。

こうすれば、コロナによって学びが妨げられるリスクをコントロールすることができます。

マークザッカーバーグもインタビューで”The biggest risk you can take is not taking any risk.”(最大のリスクはリスクを冒さないこと)だと述べています。(“The Biggest Risk You Can Take – Mark Zuckerberg in less than 2 mins“より)

成功している起業家やスポーツ選手も、挑戦するときには上手くいかないかもしれない不安と向き合いながら、リスクをとってきたことが分かります。

海外進学も同じで、誰かに聞いたからではなく、自分なりの理屈でリスクとリターンを計算します。
リスクよりリターンが大きいなら迷わず挑戦すべきです。

②未来を楽観する

私は、小林りんさん(ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン 代表理事)の

「楽観というのは、自分で意志を持って楽観的に未来を切り開いていく人にのみ許されること」

という言葉が大好きです。

テレビを見ていると暗いニュースばかりで「上手くいくのかな」と、つい悲観的になってしまいます。
「なんで国はこうなんだ」「なんでリーダーはちゃんとやってくれないんだ」と、自分以外の誰かのせいにしがちです。
悲観的になっていると、いいアイデアも浮かびません。

だから「どうにかなる」と楽観的に考え、今自分にやれることを最大限やっていくようにしました。
私がTCに受かったのも、フルブライト奨学金にもらえたのも、「まあなんとかなるだろう」と楽観して、準備を進められたからだと考えています。

17世紀、ニュートンは、ペストの流行でケンブリッジ大学が閉鎖されたため、故郷に帰省しました。
その2年間で「万有引力の法則の発見」「微分積分法の確立」「光学理論の発見」などを発見しました。

のちにニュートンは、その2年間を「創造的休暇」と呼びました。
彼が未来に悲観しながら、「もう何やってもダメだ」と社会の文句を言っていたら、発見はなかったかもしれません。
社会がカオスだからこそ、自分がやれることを考え、実行できる人が輝くのだと思います。

③仲間を作って励ましあう

最後はシンプルに、ネットワークです。
一人で勉強して、一人で英語の試験を受けて、一人でエッセーを書いていると、さすがに気が滅入ります。

私は、「ねねみそ相談サロン」というオンラインサロンに入って、留学したい人たちとつながっていました。
勉強の悩みや進捗を報告しあうだけでも、リフレッシュできます。

基本的には、海外大の受験は孤独な戦いです。
周りの友達や同僚とは違うことをすることに焦りを感じます。

コロナの影響によって、より孤独感が強まりました。
オンラインでの集まりに参加するのもいいですし、TwitterやYouTubeなどで情報発信をしている人と連絡を取ってみるのもいいです。

以上、現在の海外大の様子と、今後の受験に向けたアドバイスをまとめました。
コロナ禍の今だからこそ、グローバルに動ける人が求められる時代です。

これから挑戦する人の参考になれば嬉しいです。

質問などありましたら、コメント欄か、「お問い合わせ」よりお願いします。

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